育成就労制度における「優良な育成就労実施者」の要件が明らかになりました。
育成就労制度では、一定の要件を満たした場合、育成就労外国人の本人意向による転籍(転職)が認められる仕組みとなっています。
その際、転籍先となる企業についても、優良な育成就労実施者としての要件を満たしていることが重要になります。
つまり、今後は「外国人材が転職してきたから、すぐに受け入れる」ということが自由にできるわけではありません。
企業側も、あらかじめ優良要件を満たすための体制を整えておく必要があります。
■ 優良認定は「点数制」
優良な育成就労実施者の認定は、最大100点の配点方式となっています。
受入れ実績の期間によって評価対象となる項目と合格ラインが異なります。
・初回受入れから1年未満:40点以上/56点
・1年以上2年未満:51点以上/72点
・2年以上3年未満:60点以上/85点
・3年以上:70点以上/100点
基本的には、それぞれの区分で総得点の7割以上を獲得することが必要です。
また、単純に合計点だけを満たせばよいわけではありません。
大項目「Ⅰ 技能・日本語能力」「Ⅱ 体制・待遇・実施状況」「Ⅲ 地域社会との共生」のそれぞれについて、最大点数の6割以上を取得する必要があります。
■ 主な評価項目
評価は大きく3つの分野に分かれています。
① 技能・日本語能力の修得実績
技能試験や日本語試験の合格率などが評価されます。
・基礎級技能試験の合格率
・3年目の技能試験の合格率
・A1・A2・B1相当の日本語試験合格率
・日本語学習への自主的な支援
・技能検定試験等への協力 など
外国人材の技能習得だけでなく、日本語能力の向上をどのように支援しているかも重要なポイントになります。
② 体制・待遇・実施状況
企業の受入れ体制や外国人材への待遇も評価対象です。
・人権方針の策定・公表
・外国人が送出機関に負担する費用の実質的なゼロ化
・キャリア面談の実施
・最低賃金を上回る賃金設定
・勤続年数に応じた昇給
・個室などの住環境の確保
・母国語での相談・支援体制
・優良な監理支援機関の利用
・転籍者の受入れ実績
・求人情報の掲載 など
単に外国人材を雇用するだけではなく、働きやすい環境やキャリア形成を支援する体制が求められます。
③ 地域社会との共生
外国人材が日本の地域社会で生活していくための取り組みも評価されます。
・地域イベントへの参加
・日本文化を学ぶ機会の提供
・帰国時の住民税手続き
・マイナ保険証の保有率 など
企業だけでなく、外国人材が地域社会と共生できる環境づくりも重要になります。
■ 今から準備しておくことが重要
育成就労制度の開始に向けて、外国人材の受入れを検討している企業は、今のうちから自社の受入れ体制を確認しておくことをおすすめします。
特に、
「外国人材を受け入れる体制は整っているか」
「賃金・昇給などの待遇は適切か」
「日本語学習をどのように支援するか」
「相談・生活支援の体制は整っているか」
「優良な育成就労実施者の基準を満たせるか」
といった点を事前に確認しておくことが大切です。
今後、育成就労外国人の転籍受入れを検討する企業にとって、「優良な育成就労実施者」の要件は重要な判断基準となります。
制度開始後に慌てることのないよう、早めに準備を進めておきましょう。
※制度の詳細・運用については、今後の関係法令・省令・関係機関からの最新情報をご確認ください。
外国人材の受入れや育成就労・特定技能制度についてのご相談は、行政書士までお気軽にお問い合わせください。








