「特定行政書士」という言葉を聞いたことはありますか?
行政書士は、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成や提出手続の代理などを行う、行政手続の専門家です。
その中でも「特定行政書士」は、所定の法定研修を修了し、行政書士が取り扱うことのできる許認可等について、審査請求などの行政不服申立ての代理を行うことができる行政書士です。
今回は、通常の行政書士との違いや、特定行政書士がどのような場面でお役に立てるのかをご紹介します。
■特定行政書士とは?
行政書士の仕事というと、
「許可を取るための申請書を作成する」
「役所への申請手続を代理する」
といった業務をイメージされる方が多いと思います。
しかし、申請をしたからといって、必ず希望どおりの結果になるとは限りません。
場合によっては、
「申請した許可が不許可になってしまった」
「取得していた許可について行政から取消しなどの処分を受けた」
といったことも考えられます。
このような行政庁の処分について、改めてその判断を審査してもらうための制度が「行政不服申立て」です。
特定行政書士は、行政書士が作成することができる官公署提出書類に係る許認可等について、この行政不服申立ての代理や、その手続に必要となる書類の作成を行うことができます。
■通常の行政書士との違いは?
通常の行政書士も、許認可等の申請書類の作成や提出手続の代理など、行政手続に関する幅広い業務を行うことができます。
一方、特定行政書士は、それらに加えて一定の行政不服申立てについて、
・審査請求等の手続の代理
・審査請求書などの書類作成
・処分庁からの主張に対する反論書等の作成
・行政不服申立てに関する手続上の対応
などを行うことができます。
つまり、
「行政に申請するところまで」
だけではなく、
「その申請について行政から処分を受けた後」
まで対応できることが、特定行政書士の大きな特徴です。
■2026年1月から業務範囲が広がりました
2026年1月1日に施行された改正行政書士法により、特定行政書士が取り扱うことのできる行政不服申立ての範囲が広がりました。
従来は、行政書士が実際に作成した書類に係る許認可等が対象とされていましたが、改正後は「行政書士が作成することができる」官公署提出書類に係る許認可等が対象となっています。
そのため、最初の許認可申請を担当した行政書士でなくても、行政書士が取り扱うことのできる許認可等であれば、処分後の段階から特定行政書士へ相談できる場面が広がりました。
■特定行政書士に相談するメリット
行政庁から不許可や取消しなどの処分を受けても、
「役所が決めたことだから仕方がない」
と必ずしもそのまま諦めなければならないわけではありません。
行政不服審査制度では、行政庁の処分について改めて審査を求めることができる場合があります。
特定行政書士は、
・どのような処分を受けたのか
・なぜその処分が行われたのか
・不服申立ての対象となるのか
・どのような点を問題として主張するのか
などを整理しながら、行政不服申立ての手続をサポートします。
もちろん、行政から受けたすべての判断について審査請求ができるわけではありません。
そのため、まずは処分通知書や関係書類を確認し、どのような対応が考えられるのかを検討することが大切です。
■「申請して終わり」ではない行政手続のサポート
当事務所では、各種許認可や外国人の在留手続など、行政機関への申請手続を取り扱っています。
さらに、特定行政書士として、万が一行政庁から不許可や取消しなどの処分を受けた場合には、その後の行政不服申立てについても対応を検討することができます。
行政書士として申請をサポートし、必要な場合には特定行政書士としてその先の手続までサポートする。
「申請して終わり」ではなく、その後まで見据えて行政手続を支援できることが、特定行政書士である当事務所の強みの一つです。
行政から不許可や取消しなどの処分を受け、「この判断に納得できない」「何か対応する方法はないだろうか」とお困りの場合には、お気軽にご相談ください。
次回は、実際に行政庁から不許可などの処分を受けた場合に行う「審査請求」とはどのような制度なのか、もう少し具体的にご紹介します。
※行政不服申立ての対象となる処分や申立期間、特定行政書士が代理できる業務範囲等は案件によって異なります。具体的な案件については個別に確認が必要となります。



