海外から外国人を採用し、日本へ呼び寄せる企業の担当者は、在留資格認定証明書交付申請(COE申請)の前に「入国前結核スクリーニング」の対象かどうかを確認する必要があります。

フィリピン・ネパール・ベトナムの対象者は、原則として指定健診医療機関が発行する「結核非発病証明書」をCOE申請時に提出します。 証明書の取得には受診予約や検査日程が必要なため、採用スケジュールへ早めに組み込むことが大切です。

1.入国前結核スクリーニングとは

指定健診医療機関で胸部レントゲン検査を受ける外国人

入国前結核スクリーニングは、日本へ中長期間滞在しようとする一定の外国人について、入国前に結核を発病していないことを確認する制度です。対象者は、自国にある日本政府指定の健診医療機関を受診し、問診や胸部レントゲン検査などを受けます。

検査の結果、活動性結核ではないと判断されると「結核非発病証明書」が発行されます。企業側はCOE申請の必要書類として、この証明書が準備できているかを確認します。

対象となるのは、原則として対象国の国籍を持ち、その国に居住して日本へ中長期在留者として入国する人などです。再入国許可による再入国者など、制度上の対象外もあります。

2.対象国と提出義務の開始時期

フィリピン・ネパール・ベトナムから日本へ渡航する人材のイメージ

制度の対象国として、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、ミャンマー、中国が示されています。ただし、証明書提出の開始時期は国ごとに異なります。

  • フィリピン・ネパール:2025年6月23日以降のCOE申請から原則必須
  • ベトナム:2025年9月1日以降のCOE申請から原則必須
  • インドネシア・ミャンマー・中国:開始時期は最新の公式発表を確認

「対象国に含まれること」と「すでに提出義務が始まっていること」は同じではありません。 採用する人材の国籍・居住地・申請日を確認し、出入国在留管理庁の最新案内で判断してください。

3.証明書の取得からCOE申請まで

在留資格認定証明書交付申請に結核非発病証明書を添付する企業担当者

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 出入国在留管理庁の案内から対象国の指定健診医療機関を確認する
  2. 本人が医療機関へ予約し、本人確認書類などを準備する
  3. 問診、診察、胸部レントゲン検査などを受ける
  4. 結核非発病証明書の発行を受ける
  5. 受入れ企業または申請代理人がCOE申請書類へ添付する

指定外の医療機関が作成した診断書では、原則として代用できません。 また、COE申請で証明書を提出してCOEが交付された場合、通常は査証申請時に同じ証明書を再提出する必要はありません。

4.受入れ企業が確認すべき注意点

結核健診から証明書提出と来日までの流れを示すイメージ

結核非発病証明書の有効期間は、原則として胸部レントゲン撮影日から180日です。早すぎる受診は申請時の期限切れにつながり、遅すぎる受診は入社時期へ影響します。

企業の担当者は、次の点を採用初期に確認しましょう。

  • 本人の国籍だけでなく、現在の居住国も確認する
  • 対象となる在留資格・入国方法か確認する
  • 指定健診医療機関の予約状況と証明書発行日数を確認する
  • 証明書の氏名・旅券番号・撮影日・有効期限を確認する
  • COE申請予定日から逆算して受診日を決める

対象国以外に居住している場合や、人道上の特別な事情がある場合などには、説明書や理由書を添付する取扱いがあります。例外に当たるかを自己判断せず、個別事情に応じて確認してください。

海外採用では、雇用契約や在留資格の準備と同時に、結核スクリーニングの日程管理まで行うことが重要です。 当事務所では、在留資格認定証明書交付申請を含む外国人材の呼び寄せ手続をサポートしています。判断に迷う場合は、お気軽にご相談ください。


※本記事は2026年8月18日時点の一般的な情報です。対象国、開始時期、指定健診医療機関などは変更される可能性があります。申請前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

主な公式情報
出入国在留管理庁「入国前結核スクリーニングについて」
出入国在留管理庁「入国前結核スクリーニングの開始時期」
在留資格認定証明書交付申請