「外部監査人が来ると、会社が直接取り調べを受けるのでしょうか」。技能実習を受け入れている企業から、このようなご質問を受けることがあります。
外部監査人の同行監査は、外部監査人が実習実施者を単独で監査する制度ではありません。監理団体が行う監査に同行し、その監査が適正な方法で行われているかを外部の立場から確認するものです。
この記事では、外国人技能実習機構(OTIT)の運用要領と参考様式第4-7号・第4-13号を基に、同行監査の流れ、確認項目、企業が準備しておきたい資料を分かりやすく整理します。
1.外部監査人は「監理団体の監査」を確認する

監理団体が外部監査人を置く場合、外部監査人は監理事業を行う各事業所について、監査などの業務が適切に行われているかを3か月に1回以上確認します。
これとは別に、監理団体が実習実施者に対して行う監査へ、各事業所につき1年に1回以上同行します。監査の主体は監理団体です。外部監査人は、監理団体が必要な確認を省略せず、実地で適正に監査しているかを確認し、参考様式第4-13号に結果と講評をまとめます。
2.同行監査で確認される6つの流れ

- 現場を見る:認定計画と違う作業をしていないか、計画どおり進んでいるか、安全衛生上の問題がないかを確認します。
- 責任者・指導員から報告を受ける:技能実習責任者や技能実習指導員から、実習の状況や指導方法を聞き取ります。
- 技能実習生本人と面談する:監理団体が本人の話を直接聞いているか、その人数や方法が適切かを確認します。
- 設備・帳簿を確認する:賃金台帳、タイムカード、実習日誌などを実際の勤務状況や認定計画と照合します。
- 宿泊施設などの生活環境を見る:居住スペース、衛生、安全、費用負担などを確認します。
- 監査方法を評価する:確認漏れや表面的なチェックに終わっていないか、外部監査人が総合的に講評します。
書類だけ整っていても、現場の作業、勤務時間、本人の説明と一致しなければ問題が見つかる可能性があります。
3.技能実習生との面談も重要

参考様式第4-13号では、面談人数について原則として対象となる技能実習生の4分の1以上などの基準が示されています。
面談では、認定計画と異なる仕事をしていないか、賃金が説明どおり支払われているか、長時間労働や休日の問題がないか、旅券・在留カードや預金通帳を本人が管理しているか、私生活への不当な制限がないかなどが確認されます。企業側は、面談内容を事前に指定したり、回答を誘導したりしてはいけません。
4.事前に準備したい資料

- 認定済みの技能実習計画一式
- 技能実習生の管理簿
- 認定計画の履行状況に係る管理簿
- 技能実習日誌
- 雇用契約書・雇用条件書
- 賃金台帳、給与明細、振込記録
- タイムカード、出勤簿、残業・休日・休暇の記録
- 食費・居住費などの控除根拠
- 宿泊施設の状況が分かる資料
- 監査実施概要(参考様式第4-7号)
- 前回の訪問指導・監査記録と改善対応の記録
大切なのは資料の存在だけではありません。計画・帳簿・現場・本人の説明が一致しているかを確認してください。
5.当日に慌てないためのチェックポイント
- 認定計画と実際の作業が一致している
- 賃金台帳とタイムカードの時間・金額が一致している
- 残業、休日、休暇の記録が説明できる
- 技能実習生が旅券・在留カード・通帳を本人管理している
- 前回指摘された事項の改善記録が残っている
同行監査は、当日だけ書類を取り繕うためのものではありません。日頃の技能実習管理を見直し、監理団体と企業が改善点を共有する機会と考えることが大切です。
まとめ|監査は「書類・現場・本人」の一致がポイント
外部監査人は、実習実施者を直接監査するのではなく、監理団体の監査に同行して、その方法と内容が適正かを確認します。
現場を見る、関係者から話を聞く、技能実習生と面談する、帳簿を照合する、宿泊施設を見るという基本を押さえ、普段から必要資料を整理しておきましょう。
ワイズリンクス行政書士事務所では、監理団体の外部監査や技能実習・外国人雇用に関する実務を支援しています。
※2026年10月9日時点の一般的な情報です。最新の外国人技能実習機構の資料をご確認ください。



















